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お知らせ
平成29年7月9日
「鉢の木」という
謡曲(ようきょく)があります。
ある大雪の夜に旅の僧が
上野国(こうずけのくに・今の栃木県)
佐野で貧しい家に一夜の宿を求めます。
主人は「貧乏でおもてなしも
できないので」と一度は断りますが、
僧が雪で苦心しているのを見て、
呼び戻して家に泊めます。
主人は粟飯(あわめし)で
僧をもてなしますが、
夜更けには囲炉裏(いろり)に
くべる薪すらなくなってしまいました。
これでは申し訳ないと、
大切にしていた三鉢の盆栽の
鉢の木を切って囲炉裏にくべるのです。
それに心打たれた僧が
主人の素性を尋ねると、
元鎌倉の御家人で
佐野源左衛門常世(つねよ)
という人でした。
常世は、
「今はこのように
落ちぶれていますが、
もし幕府に大事があれば、
ちぎれた具足(ぐそく)に
錆びた薙刀を持ち、
くたびれた馬に乗って
一番に馳せ参じ、
一命をなげうつ覚悟です」
と僧に語りました。
春になって幕府に一大事が起こり、
各地の武士に動員令が下りました。
関東一円の武士が我先にと
駆けつける中に
常世の姿もありました。
みすぼらしい格好の常世を
周りの人たちは笑いましたが、
その常世の前に
あの旅の僧が現れました。
実はこの僧は鎌倉幕府の
第五代執権北条時頼で、
民情視察のために
托鉢をしながら
全国を回っていたのです。
時頼は常世が約束通りに
駆けつけてくれたことを
褒め称え、志に報いるために
三鉢の盆栽にちなんで
三つの荘園を与えました。
常世は喜んで故郷に
錦を飾りました。
これが「いざ鎌倉」という
言葉のもとになった話です。
本日のご来店心よりお待ち致しております。